海外企業×日本企業のコラボ動画、ライブ収録の舞台裏

Natsuko Yamazaki

先日、海外企業と日本企業のコラボレーション動画のナレーション収録を行いました。 海外との時差の関係で、スタートは深夜。 実は深夜のレコーディングは、街の騒音が消え、マイクが音を一番ピュアに拾えるというナレーターにとっての隠れたメリットがあります。

今回は、私の防音スタジオと世界をリアルタイムで繋ぎ、収録した音声データを後ほどお送りする「ライブ・レコーディング(ライブ・ディレクション)」形式で行われました。

クライアントのリクエストと、私からの提案

レコーディングには、海外企業の制作チーム、エンジニアの方、そして日本企業の担当者様が参加されました。 海外チームからは、「編集時に差し込む場所が分かりやすいよう、各フレーズの前にスレート(番号)を入れて読んでほしい」というリクエストをいただきました。

言語が異なるエディターにとって、番号があるのは確実なガイドになります。もちろんその指示通りに収録を進めましたが、私はもう一つ、別のパターンも録らせてほしいとご提案しました。 それは、モニターに映像を流しながら、最初から最後まで流れで収録するパターンです。

「編集のしやすさ」か「尺(長さ)と感情のフィット感」か

一文ずつ区切って、映像を見ずに収録する方法は、一見すると「パーツ」として扱いやすいように思えます。 しかし、映像を見ずに収録すると、実際の映像の尺(長さ)に対して、読みが長すぎたり短すぎたりして、後から合わせるのが難しくなることもあります。また、どうしても感情の流れやリズムが細切れになりがちになるのです。

一方で、映像や音楽をリアルタイムで追いながら読むと、言葉に自然な体温が宿ります。視聴者目線で「今、ここでこの言葉を届けたい」というタイミングに、声がピタッと吸い付くようなフィット感が生まれ、尺も完璧に収まります。

最終的に採用されたのは……

両方のパターンをお送りしたところ、立ち会ってくださった日本企業の方から「やはり映像に合わせて読んだ方が断然いい!」海外企業の方からも「Thank you again for a wonderful and professional recording!!!(素晴らしい、プロフェッショナルな録音をありがとうございました!)」と大変喜んでいただけました。

結果として、スレートを入れたものよりも、後半に収録した「映像に完全に同期させたバージョン」をそのまま採用いただくことになりました。違いを感じていただけて、私も本当にうれしかったです。ご提案してよかった、と心から思いました。

現場の空気感:英語と日本語のマルチリンガル・セッション

メインの進行や指示は英語で行われましたが、日本企業の方から日本語で話しかけられた際には日本語でお応えしました。言語の壁を超えて、その場で細かなニュアンスまで直接確認できたことで、非常に精度の高いセッションとなりました。 収録後に日本語で温かな言葉をかけていただけたことも、大きな励みになりました。

最高の仕上がりのために

日本の現場でも、いわゆる「素ナレ」や「同録」など、手法は様々です。 決められた指示を完遂するのはプロとして当然ですが、その作品にとって何が最善かを考え、こちらから提案することも大事なことだと思います。 これまでの経験を活かし、いいモノづくりをしていきたい。そして仕上がりに喜んでいただけることが、私にとって何よりの幸せです。

これからも、国境を越えたクリエイティブな現場で、最高の「声」を届けていきたいと思います。


【お仕事のご依頼・お問い合わせ】

日本語ナレーションが必要な際は、ぜひお気軽にご相談ください。 グローバル案件のリモート収録からローカライズまで、あなたの作品がより素晴らしいものになるよう、心を込めてお手伝いさせていただきます。

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