Project Be Brave|パペットキャラクターの日本語吹き替え・ローカライズ
パペットは、しゃべりません。
でも、声が入った瞬間
不思議なことに、そこに「誰か」がいるように感じることがあります。
今回、私たちが取り組んだのは、Project Be Braveの第2弾となる、パペットを使った日本語吹き替えプロジェクト。
海外で生まれたコンテンツを、日本の視聴者に自然に届く「声」と「表現」に変えていく。
その過程には、単に英語を日本語に訳して、声を入れるだけではない、たくさんの工夫がありました。
「振り切ってください!」




今回登場するのは、Davey、Gina、Terry、Roccoという4人のキャラクター。
昨年のProject Be Braveでは、私がDaveyの声を担当しました。
今回は、さらに仲間が加わり、それぞれのキャラクターに声を吹き込みました。
制作サイドとしてお願いしたのは、
「思い切り振り切った演技でお願いします!」
というリクエスト。
パペットだから、少し大きめに。少しコミカルに。
そして、それぞれのキャラクターが「どんな人なのか」が声を聞いただけでも伝わるように
ただ原稿を読むのではなく、映像の中にいるキャラクターとして演じる。
それが今回の日本語吹き替えで大切にしたことでした。
本番の吹き替えに先立って、ニュースキャスターのGinaと、医療解説員のRoccoによる短いプロモーション動画も制作。
キャラクターの個性を探りながら、一つひとつ声を作っていただきました。
名前を変えることも「ローカライズ」
今回、特に印象に残っているのが、Terryの名前です。
英語版での名前は、
「Terry Fried Chicken」(テリー・フライドチキン)
Terrified「テリファイド」(怯えている)とFried chicken「フライドチキン」がかかった「怖がりなチキン」。
役柄通りのこの名前は、英語ではちょっとクスッと笑いを誘う名前になっています。
ところが、それをそのまま日本語にしても、英語版にある面白さが日本の視聴者には十分伝わりません。
そこで制作サイドから、
「日本語でも、この面白さが伝わる名前にしてほしい」
という依頼がありました。
どんな名前がいいのか、I-Companyで考えました。
Terryという名前の響きは残したい。
怖がりなチキンであることも伝えたい。
そして、聞いた瞬間に「なんだ、この名前は!」と思わず笑ってしまうような、耳に残る名前にしたい。
そうして生まれたのが、
「テリヤキビクビク」です。
ちょっと変な名前ですよね(笑)
でも、一度聞いたら忘れない。
そして「テリヤキ」という言葉から日本らしさを感じながら、「ビクビク」した怖がりなチキンの様子まで想像できる。
名前を聞いただけで、なんとなくキャラクターが見えてくる。
私は、これも日本語吹き替えにおける大切な「ローカライズ」だと思っています。
言葉を置き換えるだけではなく、
日本人が聞いたときに、同じように「面白い」「かわいい」「このキャラクター好きだな」と感じられる形にする。
それが、声の仕事におけるローカライズの面白さだと思います。
海外作品を、日本の「ことば」にする
今回の日本語版は、アメリカのオリジナル英語版をもとに制作しました。
本編の翻訳・ローカライズを担当したのは今回も木内希さん。
さらに、実際に声を担当するナレーター・ボイスアクターも、キャラクターの表情や演技に合わせて、言葉のニュアンスを細かく調整しました。
文字として正しい日本語であること。
そして、声にしたときに自然であること。
キャラクターが話したときに、その人物らしく聞こえること。
この3つは、必ずしも同じではありません。
それゆえ、日本語吹き替えでは、翻訳者だけでなく、声優・ボイスアクター、制作スタッフが一緒になって考えることが大切なのだと思います。
「その日にください」に応えられるチーム
今回の制作も、かなりタイトなスケジュールでした。英語版の制作が終わるとすぐに動画が送られ、締め切りが伝えられます。週末をはさんだ短い期間に翻訳の調整、ナレーション収録が行う必要がありました。
海外チームからの依頼に対して、できるだけ早く、そして丁寧に応える。
今回、タイトな締め切りなので、なるべく早めに音声データをいただいたいとお願いしたところ、声優の皆さんは、なんと、原稿をお渡ししたその日に完璧な収録をして私に送ってくださったのです‼
本当に素晴らしい仕事をしてくださる信頼できるナレーターの皆さんです。
声を録る技術だけではなく、コミュニケーション、翻訳、確認、修正、編集など、それぞれの役割を担う仲間との連携が欠かせません。
私は日本側と海外チームの間に入り、翻訳や字幕の確認、テロップの調整など、制作全体がスムーズに進むようサポートしました。表記や内容を丁寧に確認し、必要な修正を重ねながら、品質を整えていきました。
自宅のプロフェッショナル・ホームスタジオから、海外チームと直接つながって収録できること。
そして、必要なときには信頼できる日本語ボイスアクターや翻訳・制作スタッフとチームを組めること。
こうした環境があるからこそ、海外からの急な依頼にも柔軟に対応することができます。
真面目なテーマだからこそ、「楽しく伝える」
Project Be Braveが伝えているのは、乳がん検診、マンモグラフィーの大切さ。
決して軽いテーマではありません。
そのため、今回のパペット版では、ユーモアを取り入れ、少し楽しく、親しみやすく伝えることに意味があるのだと思います。
真面目なメッセージを、どうすればもっと多くの人に届けられるのか。
その答えは、一つではありません。
映像、キャラクター、音楽、そして「声」。
さまざまな表現が重なって、一つのメッセージになっていきます。
「声」は、コンテンツの最後のピースになる
海外で作られた映像を、日本で届ける。
そのとき、日本語に翻訳するだけでは、まだ完成ではありません。
日本の視聴者が自然に聞ける日本語。
キャラクターの魅力が伝わる声。
作品の世界観を壊さない演技。
そして、制作チームとスムーズにつながるコミュニケーション。
そうした一つひとつが重なって、初めて「日本のコンテンツ」として自然に届くのだと思います。
今回の「テリヤキビクビク」という名前も、その小さな一例でした。
世界へ広がっていくProject Be Brave

そして今、このProject Be Braveの吹き替えは、さらに世界へ広がっています。
英語、日本語、中国語、アラビア語、スペイン語、ブラジルポルトガル語へ。
一つのコンテンツが、一つの言語だけにとどまらず、さまざまな国の人たちへ届いていく。
その過程で、世界中の仲間とつながり、一緒に考え、一緒に作品を作ることができる。
それは、とてもありがたく、そしてワクワクすることです。
言葉は違っても、
「このメッセージを、もっと多くの人に届けたい」
という思いは、きっと同じ。
声を通して、国を越えて人と人がつながっていく。
今回のプロジェクトを通して、そんなことを改めて感じました。
海外コンテンツを、日本の視聴者へ
海外コンテンツの日本語ローカライズ。
日本語ナレーション。
日本語吹き替え。
キャラクターボイス。
アニメーション・パペットの吹き替え。
そして、海外制作チームとのリモート収録や日本側の制作サポート。
私はこれからも、単に「日本語の声を入れる」だけではなく、
そのコンテンツが、日本の人の心に自然に届くところまで。
声と表現の力で、お手伝いしていきたいと思っています。
日本の視聴者に、きちんと届く。
そのための声を、お届けします。
A Voice Becomes Your Brand.
Project Be Brave — Japanese Version
各国のProject Be Brave パペットバージョンもぜひご覧ください。
Production & Credits
Project: Project Be Brave
Script & Executive Direction: Tina Kamriani
Japanese Voice Actors: Davey / Natsuko Yamazaki | Gina / Eriko Hayami | Terry / Nozomi Kiuchi | Rocco / Takayuki Kondo
Translation & Localization: Nozomi Kiuchi
Japan-side Production & International Project Liaison: Natsuko Yamazaki / I-Company
Main Editing / Production: Davey Productions — Cara Leighty
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